端午の節句に柏餅を食べる理由

 端午の節句には鎧櫃(よろいのひつ)の前に御神酒と水で洗った米を供えていました。水で洗った米が、お米の団子を供えるよう変わり、柏餅になりました。

 柏の葉は新芽が出ないと古い葉が落ちないという特徴があります。これを、子供が産まれるまで親は死なない、つまり、家系が途絶えないという縁起に結びつけ、子孫繁栄という願いがかけられています。

 柏の葉は古代より木々を守る神、葉守(はもり)の神が宿る葉として崇められていたことも理由の1つのようです。また、柏はやせ地や乾燥に強く、山火事でも生き残る強い生命力を持っています。 樹皮にはタンニンが含まれ、漢方では下痢、止血の薬として用いられます。このように柏の葉には殺菌作用があるために餅の保存目的も兼ねています。

 江戸時代後期に喜田川守貞が近世の風俗を解説した「守貞謾稿」には「京坂にては、男児生れて初の端午には、親族及び知音の方に粽を配り、二年目よりは柏餅を贈る、江戸にては初年より柏餅を贈る」と書かれていて東西で風習が異なっていたようです。